2005年09月01日

栗と赤提灯



どうもいけない。栗を見ると、ハリセンボンを連想してしまう。
海が近いせいかも知れない。栗は昔より食用にしてきた
のだが、ハリセンボンも、なかなかだそうだ。
ネオンの街を通り過ぎて川沿いに河口に向かって
橋の南詰めまで歩くと人のざわめきが薄らぎ、
海の匂いがいっぱいする。その橋の近くに
赤提灯の呑み屋がある。店の入口には古い栗の木が
1本あり、庭木のように手入れがされ、こじんまりとした樹だ。
提灯には郷土料理の文字があり、店に入ると10人ほどの
カウンターと、畳の部屋には杉の輪切りした卓が
三つ置かれている。
40歳くらいの女将と50歳前後の板さんがいる。
その板さん曰く、ハリセンボンはなかなかいけると。
俺は、この街のデパートに1週間予定で仕事に来ているのだが
6時までの営業で、7時には、もうカウンターでやっている。
女将の扱いも板さんの料理も俺の口に合っているので、
この店に通い始めて3日になる。
客足が早いのか、いつもこの時間は客がない。
今日も1人で女将相手に飲んでいる。
やがて板さんは暇だから早上がりすると帰っていった。
しばらくして活鯛を手にした4人の男共が入ってきた。
かなり出来あがっており「刺身を作ってくれ」と女将に
寄りかかってくる。「板さんが居ないなら自分で作る」と
調理台に魚をのせてワイワイやっている。
みかねて俺が刺身を作ることを提案したお刺身を作り
潮汁を作る。1時間ほどで彼らは引き上げていった。
そのあとは女将とさしでやりはじめ、数件のはしごをしたらしい。
朝目覚めたがいつものベッドではなかった。
雪のちらつく街に赤提灯は良く似合う。
北日本のある街での出来事。30年前の話。

今月の昔話は「栗と赤提灯の話」です。いつもより長いですね。(HP担当)
posted by てれすこ親父 at 10:00| 絵日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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