2015年08月01日

百合



七十年前の現実は、夢や幻とあまり差はない。

そこは薄暗くて笹が繁り、潅木があちこちに育ってはいたが、樹木の名前までは記憶にない。
水田に続く丘を登ると、畑が続いており、その奥が森になっている。
いつも遊んでいた里山の範囲ではあるものの、森の中に少しだけ踏み入った場所にあった。

何故そこに一人で居たのかは確かではないのだが、今でも百合が咲いているのか確認しようと、意を決して(それだけ大袈裟ではないが、ただぶらぶらしていただけ)現場に行ってみることにした。

大凡の見当をつけて車の轍に沿って森に入り、行ける所まで進んでいった。
やがて轍が終わり、森の中に向って一本の細道が私を案内するかのように続いていた。
それを進むと、どこかで見た様な崖が現れ、少しなだらかな斜面に笹が繁っている所に出る。
樹木は大きく育ち、杉や桧の大木があちこちにあり、アケビのつるが絡まっている。
笹の中にドライフラワー化した山紫陽花が数株残っていたが、百合の姿など見当たらなかった。七十年の時間が植生まで変えてしまっていた。

車をそのままバックして森から抜け出ると、夕方になっていた。

てれすこ爺
posted by てれすこ親父 at 12:19| 絵日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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